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CoinDesk JAPAN

11/04/2025

·

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巨大テック企業が導くステーブルコイン市場の拡大──カルダノ「Midnight」が拓く企業のWeb3進出の未来とは【チャールズ・ホスキンソン氏に聞く】

イーサリアムの共同創設者であり、カルダノ(ADA)の生みの親として知られるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が10月、カルダノ普及のアジアツアー最終地として日本を訪れた。実は同氏には、この国との深い縁がある。2015年に来日し、カルダノがローンチされるまでの2年間、米国や香港と行き来しながら大阪で暮らし、初期の基盤設計を進めた。カルダノのガバナンス投票権の約半分は、現在も日本のコミュニティが握っているという。

巨大テック企業が導くステーブルコイン市場の拡大──カルダノ「Midnight」が拓く企業のWeb3進出の未来とは【チャールズ・ホスキンソン氏に聞く】

イーサリアムの共同創設者であり、カルダノ(ADA)の生みの親として知られるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が10月、カルダノ普及のアジアツアー最終地として日本を訪れた。実は同氏には、この国との深い縁がある。2015年に来日し、カルダノがローンチされるまでの2年間、米国や香港と行き来しながら大阪で暮らし、初期の基盤設計を進めた。カルダノのガバナンス投票権の約半分は、現在も日本のコミュニティが握っているという。

CoinDesk JAPANは、暗号資産(仮想通貨)業界の黎明期から第一線で活動してきた同氏に独占インタビューを実施。変化の激しい市場をどう見ているのか、カルダノが果たす役割について聞いた。トランプ政権下での規制動向からDeFi(分散型金融)普及の鍵、プライバシーの課題解決を図るサイドチェーン「Midnight」の狙いまで、同氏が語った業界の次の10年に迫る。

 

ジーニアス法とクラリティ法が変える業界地図

──今回、来日した目的は。

ホスキンソン氏:アジアツアーの一環だ。モンゴルから始まり、ベトナム、韓国、シンガポールを経て、日本に来た。日本のコミュニティと対話し、オンチェーンガバナンスの現状と2026年のロードマップについて情報共有した。

いくつかのイベントにも参加した。虎ノ門で開催された「Tech for Impact Summit」で基調講演したほか、国内企業や団体とも意見交換の機会を持った。

カルダノは年内に複数の機能やプロジェクトをローンチ予定で、特に注目されているのがサイドチェーンの「Midnight(ミッドナイト)」だ。オンチェーンのプライバシー機能への関心は高く、日本の大企業の多くもこの領域に注目している。今回の来日はMidnightを紹介し、日本のビジネスコミュニティと対話するためでもあった。

──業界の黎明期から活躍してきたあなたの目に、今の市場はどう映っているのか。トランプ政権下で再び期待が高まる中、注目している規制の動きは。

ホスキンソン氏:私たちは米上院銀行委員会と密接に協力し、ジーニアス法とクラリティ法の策定に関わってきた。

ジーニアス法はステーブルコインを対象にしたもので、責任ある形で市場を拡大するための基礎ルールを定めた。ステーブルコインは現在約2500億ドル(約37兆5000億円、1ドル150円換算)の市場だが、今後10年で1兆ドル超に成長する可能性がある。将来的には日本でも、大手企業グループが円建てのステーブルコインを発行するような動きも出てくるだろう。

より包括的なのが、クラリティ法案だ。何がコモディティで何が証券かを定義し、SEC(米証券取引委員会)やCFTC(米商品先物取引委員会)がルール策定を主導する。どのような資産が誰に、どの条件で取引されるかを決める極めて重要な法案だ。

ただし、DeFiをめぐるルール整備はこれからで、クラリティ法の成立後、2026年以降に本格的な議論が進むと見ている。

「アルゴリズム規制」という聖杯

──日本でもDeFiの規制は進んでいない。そもそも、ブロックチェーンの社会浸透を妨げている要因は何なのだろうか。

ホスキンソン氏:最大の課題は、既存金融の規制体系がブロックチェーンとの互換性を持たないことだ。伝統的金融機関は国境と営業時間に縛られ、仲介者が多い。すべての参加者はAML(アンチマネーロンダリング)やKYC(本人確認)などの規制で識別されている。一方で暗号資産は24時間365日、国をまたいで稼働している。

この問題を解決する鍵は「ブロックチェーンを開示メカニズムとして使う」という発想だ。現在は企業から規制当局への一方向的な情報開示しか行われていないが、ブロックチェーン自体を透明性の高い開示の仕組みにできれば、取引情報の確認や監査が自動化される。

具体的には、AMLやKYC要件の確認といったプロセスをスマートコントラクトに組み込む。そして、日本版、欧州版、米国版といった各国の規制要件に対応したスマートコントラクトを共通ライブラリとして整備できれば、国際取引の透明性や効率性が上がり、規制への適合も簡単になるだろう。

こうして規制に対応したスマートコントラクトを使う仕組みこそが「アルゴリズム規制」であり、業界にとっての「聖杯(Holy Grail)」だ。ただし、実現には5〜10年を要すると見ている。

M7が動かすステーブルコイン市場

──今後のステーブルコイン市場はどのように進化していくだろうか。

ホスキンソン氏:最大の焦点となるのは、利回り付きのステーブルコインだ。

ジーニアス法では利回り付きステーブルコインの発行が禁止されたが、発行者は、裏付け資産の国債などから得られる利息の一部をユーザーに還元できる仕組みを望んでいる。しかし、利回りを付与した瞬間に証券扱いになり、流動性が失われる。

さらに、既存の銀行は既得権益を守るため強く抵抗している。この利回りに関する問題が解決されるには、数年かかるだろう。

一方、ステーブルコイン市場を広げる最大のプレーヤーはマグニフィセント・セブン(Magnificent Seven)になると私は見ている。GAFAMに加え、テスラやエヌビディアといった巨大テック企業には数十億人の顧客がいる。彼らは顧客と直接的な金融関係を築き、仲介コストや手数料を削減しながら収益を最大化したいと考えている。

例えば、スリランカの顧客がWindowsを買うために複数の銀行を経由するのは非効率的だ。ドル建てステーブルコインで直接支払う仕組みなら仲介コストを20〜30%削減でき、手数料分の利益をそのまま得られる。取引速度も向上する。

Googleウォレットはすでに10億人のユーザーを持ち、暗号資産を追加することも簡単だ。サムスンはスマートフォンに暗号資産ウォレットを標準搭載している。いずれは、iPhoneやWindowsにもウォレットが組み込まれるだろう。

関連記事:サムスン、ギャラクシー端末ユーザー7500万人にコインベースの暗号資産アクセスを追加

AI×ステーブルコインで広告モデル終焉?

──関連してお聞きしたい。世界的にステーブルコイン市場が拡大する中で、AIが金融取引を行い、その決済手段としてステーブルコインがすでに使われ始めている。

ホスキンソン氏:今後10年で、インターネット上の商取引の多くはAIエージェントによって行われるようになるだろう。人間が直接取引するのではなく、AIが代理で検索・購入・決済まで行う。これらの取引の基盤通貨となるのがステーブルコインだ。

これは非常に破壊的だ。広告は人間を相手に設計されているため、AIエージェント経済の拡大はGoogleやMetaのビジネスモデルを根底から揺るがす可能性がある。

そのため、マグニフィセント・セブンの多くは、ステーブルコイン分野への参入を余儀なくされている。数カ月前、カリフォルニア州のGoogle本社を訪れたが、ステーブルコインを活用したエージェント型コマースが議論の主要テーマのひとつになっていた。

ブロックチェーン技術は、AIエージェント同士の安全なデータ共有とプライバシー保護を可能にする。Midnightを開発している理由も、まさにそこにある。

Midnightの「合理的プライバシー」

──Midnightについて、改めて教えてほしい。

ホスキンソン氏: Midnightはカルダノのサイドチェーンの一つで、年内にかけて段階的にローンチする予定だ。目的は、伝統的な企業世界とWeb3の世界の橋渡しをすること。最初のステップとしてMidnightトークンを市場に投入し、次にすべての技術を順次稼働させていく。

大企業がブロックチェーンを活用しない理由の一つには、ビジネスにはプライバシーと公開性の両方が求められることがある。

例えば、マクドナルドでは商品の価格は公開されているが、従業員の給与や人事データは秘匿されている。トヨタは、コンポーネントサプライチェーンやベンダー関係をホンダやフォードに開示したくない。いずれも企業秘密だからだ。

Midnightは「合理的プライバシー」を提供する。つまり、どの情報を公開し、どの情報を非公開にするかをスマートコントラクトで細かく制御できるのだ。CTO(最高技術責任者)や人事部、税務当局など役割や立場に応じてアクセス権を事前に決定できる。

また、ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、アバランチなど幅広いエコシステムと相互運用可能で、任意のトークンで支払える。ユーザーにとってはレイヤー2のように機能し、特定のブロックチェーンやプラットフォームに縛られる必要はない。

さらに、Linux Foundation Decentralized Trustとパートナーシップを結んでおり、企業向けのエンタープライズチェーンとも接続できる。企業は既存の業務システムを大きく変えずに、Midnightを通じて暗号資産の世界にスムーズに参入できるようになる。

このプロジェクトには6年を費やし、東京工業大学の研究所でも一部技術を開発した。これまでに108のパートナーシップを締結し、最近ではGoogle Cloudとの協業も発表したところだ。

SpaceXとの協業、2026年に再交渉へ

──話題を変えてお聞きする。以前発表していたSpaceXとのパートナーシップは進展しているか。

ホスキンソン氏:初期的な協議はすでに行っており、2026年に再交渉することで合意している。現時点の課題は、我々の技術ポートフォリオがSpaceXのニーズにまだ適合していないことだ。

SpaceXは実質的に二つの顔を持つ会社だ。一方は民間事業を担う公開会社で、Starlinkや商業の宇宙打ち上げを手掛けている。もう一方では政府関連事業を担当し、空軍や国家偵察局などと密接に協力している。Midnightの「公開と非公開を両立できる設計」は、こうした政府系プロジェクトとの協業に適している。

今後は、SpaceX側が注目しているクラリティ法の動向を見定めつつ、改めて協議のテーブルにつく予定だ。

|インタビュー・文:橋本祐樹
|撮影:今村拓馬

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